山田 メユミ氏|アイスタイル|インタビュー

自由度の高い働き方で「母」と「プロ」の両立を応援

国内最大のコスメと美容の総合サイトであり、美容関連のプラットフォームとして私たちの生活にもなじみ深い『@cosme(アットコスメ)』。その共同創業者である山田さんが、昨年設立した子会社『ISパートナーズ』では、千葉県流山市に開設したサテライトオフィスを中心に子育てをしながら美容業界のプロを目指す女性たちがイキイキと働いている。

 
『@cosme』をはじめたきっかけをお聞かせください。

「化粧品メーカーに勤めていたころ、趣味で発行していたコスメに関するメルマガがきっかけです。反響が大きくて、消費者のリアルな感想や評価といった情報が求められているんだなと肌で感じました。そこで消費者の声を企業がマーケティングに活かしていける仕組みがあれば、わたしたち生活者が中心の市場が創造されていくのではないかと考え、1999年に仲間と一緒に会社を作り、『@cosme』をスタートしました。

創業当初はなかなかメーカー側の協力が得られず苦労しました。消費者が自由に発信するということは、良い感想ばかりとは限らないわけですから。しかし、ネットが普及して消費者とのコミュニケーションが大きな価値を持つようになり、次第にユーザーとメーカーが繋がれる場所として、活用していただけるようになりました」

2012年に上場し、現在はアジアにも事業を展開されています。

「コスメからビューティー全般へ、そして国内からアジア全域へと領域を拡大しているところです。ヒトとヒト、ヒトとサービス、ヒトとモノが幸せなマッチングをするプラットフォームを目指しています」
事業の拡大に伴い、グループ会社も増えていますが、昨年設立した『ISパートナーズ』は、郊外にサテライトオフィスを作るというユニークな試みが注目されています。

「『ISパートナーズ』は、社員それぞれのライフスタイルに合せて、働き方を選べる会社です。勤務時間は5時から22時の間で自由に設定でき、場所も作業ができるなら自宅でもOKです。主な仕事内容は、@cosmeのコンテンツ制作や運営。現在、子育て中の女性を中心に約30名が勤務しています。流山市を選んだのは、市が若い共働き世代を積極的に支援し全国TOP20の転入率を誇る、子育ての街だからです」

お子さんのいる方にとっては、柔軟に働ける体制は魅力ですね。

「このオフィスを作ったきっかけは、私自身、40歳で出産し、子供を育てながら仕事をすることがいかに大変か実感したからです。本社でも、出産や子育てが理由で離職する女性社員はゼロではない。そこからライフステージが変わっても働き続けられる体制づくりを考えるようになりました。本社の就業制度を一気に変えるというのはなかなか難しいので、思い切った取り組みがしやすいよう別会社という形でISパートナーズを立ち上げました。ここで確立できた働き方を、少しずつ本社に取り入れているところです。試験的な在宅ワーク制度、ベビーシッター補助制度などが本社にも導入されています。

 私は30代まで子供がいなかったので、仕事に100%全力投球していて、仕事をする上で女性も男性も変わらないと思っていました。でも、ふと気付くと、40代の男性役員たちは、奥さんが専業主婦の方が多い。つまり、サポートがあるから全力で働けていたんです。女性が出産後も働くなら、フレキシブルな働き方ができる選択肢やサポートがなければ難しい。その体制を作るのが私の役目だなと思います。

 ISパートナーズに集まった方たちは、美容のコンテンツ制作は未経験の方がほとんど。でも、めきめきスキルアップし、今では@cosmeの運営になくてはならない人材です。
就業形態や通勤時間の障壁を取り除くことで、子育てしながら、仕事でも輝きたい女性を応援したい。今後はほかの地域にもサテライトオフィスを広げたり、グループ全体で働きやすさを進化させていきたいと思います」

山田 メユミ

Profile

山田 メユミ

株式会社アイスタイル
取締役 チーフクオリティオフィサー

1995年東京理科大学卒。化粧品原料メーカー、化粧品メーカー勤務を経て99年『@cosme』を立ち上げ、㈱アイスタイルの共同創業者となる。現在も同社取締役CQOを務めるほか、2016年流山市に『ISパートナーズ』を開設、同社社長に就任。