【インタビュー】田中ラオウ氏|画家

田中ラオウ

Profile

田中ラオウ

画家

1985年生まれ。北海道札幌市出身。北海道造形デザイン専門学校卒。2006年、東京にてカリカチュアアーティストとしてのキャリアをスタート。2014年、米ネバダ州にて行われたカリカチュアの世界大会【ISCA convention】で優勝。カリカチュア世界王者となる。2016年、主に動物画を描く画家に転身。2020年仙台三越にて個展【田中ラオウ絵画展〜虎は風に従う〜】を開催。最新デバイスを使ったイラストレーションのデモンストレーターとしても各種イベントに登壇しており、2019年Adobe Japan Prerelease Advisor就任。ロサンゼルスにて行われた世界最大のクリエイターの祭典【Adobe MAX】にて、この年唯一の日本人によるセッション【Adobe Fresco Dojo:Japanese Blackbelt Illustrators Draw Live】に登壇。

インタビュー

「自分が一番になる」
プライドが傷つかない場所に成長はない

田中ラオウ

■田中ラオウさんのお名前が特徴的ですが、なにか由来はあるのですか?

今の会社の社長に決めてもらった名前です。本業以外にペンネームが必要になった時に社長に相談しました。迫力を出していこうというコンセプトで「田中」という本名に対して、一番インパクトがある名前をつけようと「ラオウ」が良いじゃないかと薦められました。最初は恥ずかしいなあと思いましたが、ブランディングに定評がある社長の提案を聞いておこうと思い決めました。今では下の名前で呼ばれることも多いので、この名前で良かったなと思っています。

■アーティストを目指されたきっかけをお聞かせください。

―絵を描き始められたきっかけは?

小さい頃から絵を描くことが、普通の子供と同じように好きでした。子供の頃は夏休みや冬休みなど長い休みには、おばあちゃんの家に丸々1ヶ月くらい泊まりに行くという習慣があったんですが、家にはテレビゲームがなかったので、兄と2人でずっと絵を描いて過ごしていました。

―アートにお仕事で関わるようになる経緯を教えてください

絵を描くのが昔から好きだったのでイラストレーターになりたいなと思ってたのですが、当時はどうやったらなれるのかが分からなかったです。雑誌のレイアウトやグラフィックデザインの世界がイラストレーターの職種にも近いような気がして、デザインを学ぶ中で、イラストレーターの仕事についても知ることができると考え、グラフィックデザインの専門学校を選びました。

卒業後に1ヶ月だけ、グラフィックデザインの会社に就職しました。専門学校からの紹介で東京の会社の面接を受けて内定をもらっていましたが、内定期間中にカリカチュアというジャンルを知り、カリカチュアをやりたいという気持ちがとても強くなってきたのです。ただ、内定ももらっていたので、悩みながらもグラフィックデザインの仕事が絵を描いていく上でも無駄にはならないだろうと自分自身に言い聞かせ、予定通りグラフィックデザインの会社に就職しました。
ところが、仕事内容が自分のやりたいこととは全く違っていて、会社には本当に申し訳なかったのですが、すぐに辞めることにしてすぐに東京のカリカチュア専門の会社へ面接を受けに行きました。

田中ラオウ

その会社は日本で唯一のカリカチュア専門会社でした。カリカチュアを知った時に世界大会があることも知りました。今まで自分は絵が得意だなとは思っていたんですが、絵で順位を決められる世界があるということも初めて知りました。絵のスタイルはもちろん好きですし、そういう世界観含め気に入りました。

当時の会社の社長は世界大会で1番活躍している日本人でした。その会社では社内のコンテストが毎月あって、上位の3〜4人がその年のカリカチュア世界大会に連れて行ってもらえました。大会以外の期間には、観光地で似顔絵を描くこともありました。その会社で約4年勤めてから独立して、カリカチュアを続けながら2年ほどあとの世界大会で優勝しました。世界大会で優勝すると殿堂入りになり、一般の部には出場できなくなります。その社長も自分も、マスタークラスという同じ部門になりましたが、やはり私にとっては師匠という感じです。今描いている絵は、全く別のジャンルで、カリカチュアはもうやっていないです。

田中ラオウ氏

■キャリアの中で嬉しかったことやつらかったことを教えてください。

カリカチュアをやっていた時は、結構、喜怒哀楽が激しかった気がします。実力が認められて、世界チャンピオになるという結果が出たことがやっぱり一番嬉しかったです。つらかったことは、最初の頃に実力で競う世界で実力がないということは本当に何の価値もないと痛感させられたことですかね。

特に、私は自分の絵が誰よりも上手いということを証明したいという気持ちが強かったので、自分が納得できる作品を作れてない最初の3〜4年くらいは、全然しっくりこなくて、周りからも評価されなかった時期でもあったので、結構もどかしくてつらかったです。結局、原因は自分にしかないので、言い訳も出来ない、ただただ負け続ける日々というつらい時期でした。

田中ラオウ

■アート業界を目指す後輩にメッセージをお願いします。

アートや絵のジャンルだけじゃないかもしれないですけど、「プライドが傷つかない場所に成長はない」「今以上、向上したくなければ、プライドが傷つかいない場所にずっといればいい」と思っています。これは自分の座右の銘でもあり、ずっと支えられてきた格言です。絵の世界は特にそうなのかもしれないですが、割と繊細な人が多いというか、傷つきやすい人が多い気がしていて、お互いの作品に対する意見も割と悪いことは言わない雰囲気があって。そういうものなのかもしれないですが、ぬるい所にいても成長がないんじゃないかなと思っています。傷つく事を恐れて殻にこもったり、居心地良い環境に居続けると、成長には繋がらない気がします。

全部の根元に、尊重されたいという気持ちが自分の中にあって、言葉の説得力がない大人が一番ダサいと思っているんです。何だかんだ言っても圧倒的な結果を出した人の説得力はやはりすごい。最初から一番良い結果を目指す、結果を出しに行くという意識が若い人には大事じゃないかなと思います。

田中ラオウ

■今後の目標を教えてください。

年齢を重ねるにつれて地元に帰りたい気持ちが強くなってきていているので、まだ実現していない、札幌での個展を2年後には開催したいと思っています。

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