【インタビュー】井植 美奈子氏|一般社団法人セイラーズフォーザシー|SDGs WOMAN

井植美奈子氏
井植氏プロフィール

【Profile】
一般社団法人セイラーズフォーザシー 日本支局理事長

ディビッド・ロックフェラーJr.が米国で設立した海洋環境保護NGOのアフィリエイトとして2009年に一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局を設立。水産資源の持続可能な消費をめざす『ブルーシーフードガイド』、マリンスポーツの環境基準『クリーンレガッタ』等のプログラムの開発、運営による啓蒙活動で持続可能な社会の実現を目指す。NGO経営と並行して京都大学大学院博士後期過程在籍中。専攻は地球環境学・環境マネジメント。
京都大学大学院非常勤講師。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。

セイラーズフォーザシーの活動内容について教えてください。

海洋環境保護の活動をNGOとして従事しています。主には政府への政策提言、一般の方に向けての意識啓蒙の2つの軸で活動しており、海洋環境を未来に向けてどのように改善していくべきかを伝えています。

プログラムとしては、「スポーツと海洋」「食と海洋」「子供と海洋」3つの切り口で、海洋環境教育のツールを提供しています。

「スポーツと海洋」は、セーラーズフォーザシーの創始者ロックフェラー氏がセーリング選手だったこともあり、海洋にやさしい試合の仕組みをつくり、そのプログラムがセーリングのW杯アメリカンズカップで採用されていたり、日本でも葉山マリーナなど数カ所とパートナーシップを結び、レギュレーションが活用されています。

「食と海洋」は、持続可能なシーフードという切り口で、日常の中で取り組めることの提案を行っています。日本近海資源の半分は枯渇しているというデータが出ており、その枯渇する魚種を少しでも休ませて増えるのを待つ、5〜6年休ませることによって回復することもわかっています。地球規模のことで考えればほんの一瞬で済むこと、それをみんなで気をつけながら美味しくシーフードを食べましょう。無理なく資源保護のきっかけを作っていけるようにと考えています。

「子供と海洋」は、ケルプ=KELP(Kids Environmental Lesson Plans Learning Program)という、アメリカ本部が各教育機関と連携して作ったプログラムを、子供たちのために学校や色々なところで活用してもらえるよう、オンラインで無償提供しています。
活動としては、子供達と一緒にヨットを楽しんだり、食やヨット体験を通したいろいろなプログラムをサマーキャンプのような形にして提供しています。

井植美奈子氏

海洋環境保全活動への転身のきっかけは?

ニューヨークで出産し、しばらくは専業主婦と生活をしていました。帰国後に起業し、海外からのVIPのゲストを中心に、日本の伝統文化を発展的継承という考え方で、英語とフランス語にして提供するサロンを開きました。その後ロックフェラーご夫妻に出会い、日本での海洋環境保護の活動をしてみないか、という誘いを受けたことがきっかけで、現在に至っています。

立ち上げの2009年の頃は、サステナブルの言葉すら浸透していない時だったので、それを日本語でどう伝えるべきか、というところからの出発でしたね。

海洋問題はSDGsの中でも注目度の高い項目ですが、シーフードガイドを始めることになったきっかけを教えてください。

2012年にロックフェラー夫妻と成田山に行った時、魚を祀っているお寺があり、それをみたロックフェラー氏が「日本人は魚を神様のように祀っているのに何故魚を大切にしないんだ?!」と。そしてSeafood Watchというアメリカのサステナブルなシーフードがわかるポケットガイドを出して見せてくれました。初めてその存在を知り、これは日本人にも伝えるべき!とその場で日本での展開を提案したのがきっかけでした。

女性が幸せな社会とは、どんな社会だと思いますか?

幸せの定義は一人一人違っていいと思っていて、自分一番快適なところにいられるワークライフバランスが一番幸せだと思います。

弊社はつい最近まであえてスタッフは女性ばかりで、みんな好きな時に来て好きな時に帰るスタイルです。時間軸で縛らないということです。子供の予定で休むのは何日でもOK。プロジェクトが忙しければ時間を問わず働く。お互いにゴールがわかっていて、それぞれのすべきことがわかっているから、それで成り立つ、全員が対等な立場で、みんなが横並びという会社なのです。そして、スタッフには家族や自分の大切なことを優先し、大切にしてほしいと思っています。

イキイキ、ワクワクの源、心がけていることはありますか?

「道がないこと」がとてもワクワクします。文字通り大海原ですね。そして、とりくんでいることが好き、ということでしょうか。

海洋というテーマは地球規模の大きなテーマではありますが、消費行動が大切であり女性にとっては取り組みやすいテーマです。生活と遠いところにあるようで直結していることがたくさんあります。実は子育てにも直結していて、子育てをしている中で次世代に何を残していけるだろう、と考えている時に出会ったテーマでもあったので、これは取り組まなければならない、と思ったのです。

井植美奈子氏

「私のサステナブル宣言」今後チャレンジしてみたい取り組みを教えてください。

今一番はオリンピックレガシーをしっかり残したいということです。

東京オリンピックの組織委員会がサステナブルな大会にするために決めた持続可能な調達コードについて、水産物の調達コードの見直し提案をしています。現場の業者さんは既に別途、独自の調達基準で立派に国際基準のサステナビリティを確保しています。現場を応援する中で組織委員会の持続可能性部にはサステナビリティの原則をご理解いただき調達コードをしっかり改正するために対話を重ねています。レガシーをきちんと残し、2020年のマイルストーンを次の2025年の大阪万博へも繋げていきたいと考えます。Our Oceanなど国際海洋会議も日本に誘致をして、たくさんの仲間たち、賛同者とともに日本が本当の意味での持続可能性ということを共有言語として咀嚼できるような社会にしていきたいと考えています。

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井植美奈子氏
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