【インタビュー】春田 博己氏|外務省|地球規模課題総括課

SDGsは、国だけでなく、企業、NPO
国民一人ひとりが取り組まなければ達成できないゴール

Profile

外務省|春田博己氏春田 博己 (はるた ひろき) 
外務省地球規模課題総括課 課長補佐
オーストラリア国立大学大学院環境・開発学研究科修了
2004年外務省入省。在イエメン日本国大使館、海外邦人安全課などで勤務。17年より現職

ー地球規模課題総括課とは?

 非常に仰々しい地球連邦軍みたいな名前で恐縮なんですが(笑)。外務省の地球規模課題総括課という部署で、まさにSDGsの推進、広報を担当しております。数年前まではほとんど知られていなかったSDGsですが、最近では認知度も高くなっていることに大変驚き嬉しく思います。

 SDGsは2015年9月、ニューヨークの国連本部にて193カ国の合意のもと採択された、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)です。

SDGs

 SDGsロゴの1列目は、昔からある解決されていない社会課題のゴール(社会)。2列目は、人間の生活において継続的な経済活動に力点を置いたゴール(経済)。3列目は、環境を中心とした比較的新しいゴール(環境)。この3側面のバランスをとって取り組む必要があるというメッセージが込められています。

 SDGsの前身、2000年に採択されたMDGs(ミレニアム開発目標)は、発展途上国が抱える様々な問題を先進国が支援することで解決していこうという考え方でした。しかし、一方で日本国内においても6〜7世帯に1世帯は相対的な貧困といわれていたり、それに伴う教育の格差や、HAPPY WOMANでも取り組まれている、日本でなかなか進まない「5番のジェンダー平等」などの問題が存在しています。また、フードロスや海洋プラスティック問題など、先進国にも多くの問題があり、SDGsではそれを自分ごととして捉えて解決していくべきとしています。SDGsはMDGsと比べて課題の多様化、開発の主体の多様化など、国際環境の変化を受けて掲げられた目標となっています。

 SDGsの17の目標の下には169のターゲットがあり、これは全世界が一致したゴールです。2030年までに持続可能でより良い世界をつくることが目標ですが、裏を返せば今の生活様式・経済活動をそのまま続けていたらもう地球はもたない、次世代に豊かな地球を残していくことはできないという危機感を全世界が共有したといえます。この目標達成は国だけで出来るものではなく、企業、NPO、国民一人ひとりまで、皆で取り組まないと達成できないゴールなのです。

 日本は以前から、脆弱な立場にある一人一人に焦点を当てる「人間の安全保障」という概念を世界に向け提唱してきました。この考えが、より分かりやすい形で「誰一人取り残さない」という言葉で反映されたこのSDGsを日本政府としてはしっかりと牽引していく責務があると考えています。

外務省|春田博己氏

ー近年、気候変動により地球を取り巻く環境は大きく変化しており、皮肉にも新型コロナウイルスの感染拡大で、地球環境が改善されたともいわれています

 SDGsというのは、国連が決めたことで自分の生活や企業には関係ないのでは?と思っている方もいるかもしれませんが、気候変動による災害などは毎年激化していて大変身近な問題となっており、今回の新型コロナウイルスについても生活にダイレクトに影響していることを考えるとSDGsのゴールというのは我々の生活、そして未来に大きく関係しているといえます。

ー日本でもフードロスが大きな課題に

 日本は国際的に支援している食料を上回る量を廃棄をしています。毎年、恵方巻の時期にフードロスが話題になりますが、その時だけでなく、年間通しての食物廃棄が大きな社会問題となっています。昨年、議員立法でこのフードロスを削減する法案が成立しました。SDGsが少しずつ国民の間に浸透してきたことによって、法制度の整備にも繋がったと考えています。

ージェンダー・ギャップ指数2020(世界経済フォーラム)では日本は153カ国中121位。日本がランキング上位に入れない理由とは?

 日本のランキングが低い要因は、女性の国会議員の数が少ないことや経営層における女性の割合が低いことがあげられています。賃金の格差があることも原因の一つだと考えられます。SDGsは環境問題だけではなく、このジェンダー平等や教育、エネルギー問題など、それぞれが関係し合いながら存在しています。まさにジェンダー平等の問題は全てのゴールに大きく関わっていて、この取り組みが遅れるということは他のゴールの進捗に大きなマイナスの影響を及ぼすと考えられています。

ー企業は、社会のために役立つ事業を展開することがますます重要に

 様々な問題が顕在化、深刻化し、より複雑に絡み合っていることもあり、新しい共通のゴールをつくらなければならない状況の中でSDGsが国連で採択されたわけですが、もう一つ重要なことが企業、経済に関わることです。要するにSDGsを推進することにより1.2兆ドルの価値が生まれ、3.8億人の新規の雇用が生まれるといわれています。つまり、SDGsを推進することがビジネスの大きなチャンスになるということが経済界で認識されたということが大きなポイントになります。

 その中で注目されている言葉として、最近SDGsと対になって使われる「ESG投資」があります。これは、環境・社会・ガバナンスといった点に着目して行う投資であり,これらを軽視する企業はサステナブルではないと評価されるリスクを負うことになります。機関投資家がSDGsに関連する投資を推進し,それに伴って,企業は活動を持続可能な方向にシフトしていかざるを得ないという流れが生まれつつあります。そのように、企業が投資家・消費者・取引先の目線を意識していくことによって、SDGsが推進されている側面もあります。

外務省|春田博己氏

ー日本政府では、どのような組織で動いているのでしょうか?

 2015年にSDGsが採択され、日本としてもしっかりと取り組んでいくために総理を本部長として、全ての閣僚を構成員とするSDGs推進本部を設けました。ビジネスやイノベーションを通じたSDGs、SDGsを原動力とした地方創生、SDGsの担い手である女性・次世代のエンパワメントの3つの柱を設定し、政府として一丸となって取り組んでいます。

ージャパンSDGsアワードについて

 政府としてSDGsの推進に向けて、より良い取り組みをしている企業や団体などを表彰させていただいております。皆さんがご存じの大企業のみならず、中小企業や地方の小さな自治体も受賞しています。

ー外務省の職員が出版された「SDGsの絵本」について

 外務省の職員であり,絵本作家でもある当課OGの原琴乃が、次世代によるSDGsの推進のために作った絵本です。原は公私において、SDGsに心血を注いでいて、未来を担う子どもたちにも分かりやすいものをという思いでこの絵本を作ったそうです。小さい頃に触れたものは価値観にも大きな影響を与えます。SDGsという言葉を知ることが大事なのではなく、小さな頃からこういった考え方やエッセンスを教えていくことが大切なことだと考えています。

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ー皆さんへメッセージをお願いします

SDGsは「誰一人取り残さない」社会を目指していますが、言いかえれば誰もがSDGs達成のために何かできるということです。皆さん一人一人のSDGsに繋がる取り組みを期待しています。

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