ピョートル・フェリクス・グジバチ氏|プロノイアグループ株式会社 代表取締役|インタビュー

誰もが自己表現できる世界を作りたい

2000年に来日してから、ベルリッツ、モルガン・スタンレー、グーグルとグローバル企業での人材育成分野にて活躍されたピョートルさん。独立後は組織開発や人材育成、働き方改革のコンサルティングを手掛けている。さまざまな企業の体質を見極めてこられたピョートルさんに、日本と海外の働き方事情についてお話を伺いました。

 

− ピョートルさんの主な活動について教えてください。

主に4つの柱で活動しています。
1つはプロノイアグループ「未来創造事業」と呼んでいますが、簡単に言うとコンサルティング事業です。プロノイアとはギリシャ語で「先見」という意味。新しい未来を想像して、いかに新しい組織や戦略を作っていくか、これからの会社の方向性をもっと大胆に実行するために経営者や管理職の育成をしています。私たちがコンサルを行う条件は、必ず平等な立場を築くこと。共にプロジェクトを創造していける企業でないと私たちのプロジェクトは成立しません。クライアントを「お客様」ではなく「パートナー」と呼ぶのもそのためです。
2つめはモティファイ「HRテクノロジー」の会社です。新しい働き方や組織作りのためのテクノロジーを提供しています。
3つめはHand/Cという教育事業。今、サタデースクールを実験的に立ち上げていますが、新しい考え方を持つ人材の育成、未来を見据えて中学校を作りたいと考えています。
4つめは情報発信の事業。本の出版、メディアの露出など、3つの事業を通して我々の考えや活動をしっかりと情報として発信していくことです。

 

− 海外と日本企業を比べて働き方についての大きいな違いは何でしょうか?

海外のイケてる企業の評価はアウトプット重視なので働き方は評価基準にならないのですが、日本はメンバーシップ重視の働き方。目の前にいるかいないか、長くデスクに向かっている=頑張っている、という図が未だ評価基準となってしまう。これはとてももったないことですよね。

グローバル企業においては、日本人女性はアウトプットが得意だと思います。文化的に「察する力」が優れていて、人の動きを察してリーダーシップを取ることができるんですよ。後ろにいて目立たなくても人に与える影響力が強ければそれがリーダーシップ。他国の女性と比べ「同情、共感、思いやり」に優れていて、これは日本人女性ならではの強みでもあります。ここが評価されグローバル企業の中で活躍している日本人女性はたくさんいるんですよ。

 

− 個人の働き方に対する考え方として、日本の女性と海外の女性との違いは何でしょうか?

北米やヨーロッパは日本に比べると女性管理職はとても多いです。フェアな環境ということもありますが、一番の違いは、海外の女性は自分に自信を持っている、ということ。自信があるからこそ管理職にもなれるんです。一言で言うと日本人女性は自己効力感が足りない。「自分はこれがやりたい」「こんなやり方をしたい」「これを学びたい」など、自発的に言ってくる女性ってすごく少ないんですよね。

上司の投げかけるタスクをこなすのが日本の働き方として根付いているから、こなすための仕事をしてしまう。そうではなく、自分のミッションは何なのか、仕事を通じて何を得たいのか目的を持って動いていれば自ずと自信も出てくるはずです。

 

− 女性がイキイキ・ワクワク輝くために、必要だと思う事。

日本の女性たちは、いつも悩みや不満を抱えてブレイクスルーのないモヤっとした状態でいることが多いですよね。職場の環境や人間関係、仕事のやり方などたくさんの悩みがある。ある媒体で「モヤモヤはもう古い」という記事を出したことがあるのですが、私が言いたいのは、モヤモヤはもうやめて、とにかくやってみましょう!ということ。自分はどんな強みを持っていて、何の価値感の元に動いているかしっかり認識していれば、次のステップへの糸口も見えてきます。自己認識して自己開示すれば自己表現ができる。それが自己実現に繋がり自己効力感が上がり、モヤモヤすることはなくなりますから!

 

− 読者へのメッセージを。

海外の男女問わず、日本人女性に学ぶところはとても多くあります。「同情、共感、思いやり」は、グーグルのマネージメント教育の基本ともなっているのですが、日本人女性の得意としているところ、強みなんです。今は情報もたくさんあって、やりたいことは何でもできる時代。自信を持ってやりたいことはやってみましょう!

 

Profile

ピョートル・フェリクス・グジバチ氏

プロノイアグループ株式会社 代表取締役
モティファイ株式会社 CSO

ポーランド生まれ。ドイツ、オランダ、アメリカで過ごした後、2000年に来日。ベルリッツ、モルガン・スタンレーを経て、2011年グーグルに入社。アジアパシフィックにおけるピープルディベロップメント、2014年からは、グローバルでのラーニング・ストラテジーに携わり、人材育成と組織開発、リーダーシップ開発などの分野で活躍。2015年に独立し、現在はプロノイアグループ株式会社とモティファイ株式会社の2社を経営。企業がイノベーションを起こすための戦略、組織開発、管理職育成などのコンサルティング、新しい働き方と良い会社作りを支援するためのHRテクノロジーの開発を手掛けている。『0秒リーダーシップ』『世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか』『New Elite』『Google流 疲れない働き方』著書多数。