新年度に向けて、内省を促すエッセイはいかが?|HAPPY WOMAN ACADEMY

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3月は年度末で、みなさんお忙しい季節。4月に異動や転職を控え、楽しみな一方で不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうでなくても、何かとソワソワして落ち着かないこの時期に、自分と向き合うきっかけをくれる〈エッセイ〉はいかがでしょうか。

私たちと同じ時代を生きる、今注目の30代・40代女性エッセイストをご紹介します。

静かに、誠実に「幸せ」を追求する人

安達茉莉子さん

安達さんのプロフィールを見てみると、「政府機関での勤務」「限界集落での生活」など異色の経歴が並び、すでに読む前からワクワクします。手作りのZINEから人気に火がつき、現在は作家・アーティストとして活躍されています。
その著書はどれも凝った装丁で、ご自身の手によるイラストも魅力です(とっても可愛い)。

なかでもおすすめしたいのが、
『私の生活改善運動 THIS IS MY LIFE』。

勤め人として忙しい生活を続けていた安達さんは、ある日、自分の部屋にあるものや身に着けている服が、実は全然好きではないことに気づきました。そこから「生活改善運動」が始まります。

なんとなく「これでいいや」と適当に済ませてきたモノ選びをやめ、「本当に私はこれを食べたい?」「本当にこれが好き?」と自分に問いかけながら、丁寧にものを選び、判断していくことを決意した安達さん。

「自分の好きなものを選ぶなんて簡単」と思うかもしれませんが、適当に選ぶことに慣れてしまった人にとって、その道のりは決して平坦なものではありません。

「素敵なものは、自分にはもったいない」と、無意識に自分に制限をかけてしまうことに、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
(かくいう私も、「自分用だから安いものでいいや」「私にはおしゃれな服は似合わない」と、無意識に自分を雑に扱っていたことに気づきました。)

自分にとっての「快適」を求めて、欲しいサイズの洋服や本棚のDIYにも挑戦していく安達さんの姿に、勇気をもらえます。
次の著書『臆病者の自転車生活』ではロードバイクでのツーリングにも挑戦しています。こちらもおすすめです。

人生は、一日の積み重ね。
「毎日を丁寧に生きよう」と思わせてくれる、素敵な一冊です。


決して目をそらさずに、丁寧に向き合う人

永井玲衣さん

永井さんは30代半ばの若手哲学者。長年「哲学対話」という取り組みを通じて、子どもからお年寄りまでさまざまな方と対話を重ねてきた方です(『水中の哲学者』に詳しく、こちらもおすすめ)。

日々の生活の中で、つい見逃してしまいそうな違和感をキャッチし、「これはなんだろう?」と考える。
その視点は鋭いながらもやわらかく、ユーモアにあふれた文章はとても親しみやすく、するすると読めてしまいます。

一冊選ぶとしたら、まずは
『世界の適切な保存』を。

「生まれて死ぬなら、今この時間って意味なくない?」

そんな一文に挑発され、思わず手に取ってしまったこの本。
「世界が恐ろしい」「街を歩く人々それぞれに人生があるということが恐ろしい」と感じる永井さん。

「確かに!」としみじみ共感しながら読み進めていると、ふと気づくと、この本を読むこと自体が「自分自身」を省みる時間になっていました。

「私はなぜ生きているのだろう?」「なんのために生きていったらいいのだろう?」という根本的な問い。
忙しい毎日を過ごしていると、正直、そんなことを考えている暇はないかもしれません。

ですが、本当は、目の前の仕事よりも何よりも、いちばん大切で、避けてはいけない問題なのではないでしょうか。

あわただしい日々に忙殺され、不安や無力感に襲われてしまったら——。
テレビやスマホを少しだけ離れて、永井さんとゆっくり対話してみませんか。

あたたかいお茶でも淹れて、
「そうだよね」「分かる」「私はこう思うな……」と考えながら。

読み終えたとき、きっと
「明日も頑張ってみようかな」
と思えるはずです。

【記事】中丸ともえ(私立学校教諭(国語))
居場所がないと感じていた少女時代、放課後と休日のほとんどを図書館で過ごした。小学三年生の時、中原中也の詩に出会ったことで生きる希望を見出す。一人でも多くの人に文学の素晴らしさを伝えるため、日々奮闘中。

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この記事を書いた人

各分野のプロであり使命を持つ女性リーダーの育成【アマテラスアカデミア】のメンバーが執筆する記事をお届けします。