【更年期はこわくない!】誰もがみんな通る道

【更年期はこわくない!】誰もがみんな通る道

前編では、「婦人科のお悩みトリセツ」を開設し、フリーの産婦人科医として働く関口真紀先生に、更年期世代に向け「正しい」「必要」な情報、更年期の基本のイロハについて聞きました。
後編では、更年期を迎えた時の私たち心構え、セルフケアについて聞きました。

誰もがみんな通る道

更年期の症状について「つらいのは自分だけなのでは?」と抱えこんでいる人もいるのではないでしょうか。実は、みんなも悩んでいるとわかるとそれだけで気持ちが楽になります。また、お互いに励ましあうことで「一人じゃない」と安心することもできて。
 
「更年期の疲れやすさ、だるさというのは、贅沢な悩みというイメージもあって周りからも理解されにくい症状。決して、本人の気持ちの問題ではないことを周りも理解することで、休むことや生活のスタイルを見直すこと、職場環境を整えることにつながります」と、関口真紀先生は話します。

実は、更年期に対しての予防や緩和アクションを行っている人と、してない人では、相対的に幸福度に差が出ることがわかっています。これは「こころ」と「からだ」が元気であるほど、幸福度が高いということと関係が深いと思われます。(日本シニア女性の幸福に関する意識実態調査より)。

また、更年期について予防や緩和などの行動を起こしている人は、「私を大切に思ってくれている人がいる」「人に感謝することがたくさんある」「人が喜ぶのを見るのが好き」など、利他的な考え方をもつ傾向があることも。

更年期はこわくない!

真紀先生は「更年期障害になりやすい心理的、社会的因子がある」と言います。几帳面、神経質、完璧主義など、つまりは真面目な頑張り屋さんは、更年期障害を感じやすい傾向にあるとか。

「メディアは、更年期を怖がらせて終わりという風潮がありますね。医療的な知見や正しい情報を知らないと、その情報に引きずられてしまいます。結果『こんなことになるはずない』と、恐怖と不安ばかりが先立って。私たちは生理のことや更年期のことを、きちんと学ぶ機会がないまま大人になり、正しい知識を得ないまま更年期を迎えます。特に、更年期についてはネガティブなイメージがあり、口に出すことをためらう人も多くいて」。

更年期は病気じゃない、いつか終わるからと我慢したり、更年期の症状だと気づかずに、検査で異常がみつからずに不安になったり。更年期の不調を誰にも相談できず、かかえこんだり、引きこもる女性の多くは、複合的にストレスを抱えていることも多いそうです。

まずは「辛かったらいつでも相談してほしい」と関口先生のアドバイス。また、そういった人は、事前にケアしておくと症状が全く変わってくるとか。そして、実は3〜4割の人が、更年期症状に気づかずにやり過ごしているのだと言います。

そういう人って、普段何に気をつけているのでしょうか?知りたいですよね。

【更年期はこわくない!】誰もがみんな通る道

その答えは、シンプルです。

関口先生が今まで出会った更年期世代の人は、皆元気はつらつ楽しそうにしている人がほとんどだと言います。何か特別なことをしている、という様子はみられなかったとか。

「更年期でも元気な人はたくさんいて、症状を感じない人もいます。そういう人たちは、体調管理やマインドセットなど、こまめにご自身を調整する術をご存知です。更年期嫌だな〜と思っていると、ちょっとしたドキドキや疲れに敏感になり、負のループにハマってしまいます。大丈夫。

私も更年期ですけど、毎日楽しんでいます。まずは自分の体の変化を受け入れて、元気に楽しく過ごしていこうという気持ちに変えてみて。また、更年期はホルモンバランスが崩れるだけでなく、血圧やコレステロールとも関係しています。更年期後半になると生活習慣病のリスクも出てくるので、現在のライフスタイルの見直しがとても重要」。関口先生はそう話します。

更年期世代はライフイベントが重なり、自身のキャリア、子供の将来、親の介護など様々なカベにぶち当たり、否が応でも自分の人生を見つめ直す時期とも重なって。更年期症状だけにフォーカスするのではなく、それ以前に毎日の生活を見直し、コツコツとセルフケアを行う必要性もありそうです。

日々の生活で意識したいこと

関口先生が「日々の生活の中で意識して欲しい」とするのは、実にシンプルな3つのこと。

①バランスのとれた食事

現代人はミネラルやビタミンが足りていません。また、更年期に良いとされるエクオールは大豆製品に多く含まれ、豆腐や味噌汁などを中心にした和食がおすすめです。日本に昔から根ざした調理法や旬のものをバランスよく食べたいものです。

②適度な運動

強度や内容は問いません。短い時間で良いので、毎日のルーティンとして取り入れたいですね。

③ストレス溜めていませんか

生きていく上で適度なストレスは必要ですが、抱えきれないほどのストレスは健康の邪魔をしてしまいます。ストレス解消法は色々とあるので、自身にあったやり方を探すのが良いですね。関口先生が自身でも試しているのは、アロマオイル。アロマの香りは手っ取り早く癒されるオススメの方法とか。診療室でも、アロマストーンにオイルを垂らし、カウンセリングをしているとか。更年期に良いとされるアロマは、ローズ、ネロリ、クラリセージ、イランイラン、ゼラニウム、ローマンカモミールなど。お好きなもので、ぜひお試しを。

「女性に生まれて良かった」と、誰もがそう思ってくれるように更年期のお悩み相談を続けていくのが関口先生の信条だそう。そんな先生が身近にいたら嬉しいですね。興味のある人は、関口先生のインスタなどを覗いてみてはいかがでしょうか。

更年期の医療情報はもちろんですが、明るく楽しい関口先生のお話は、それだけでパワーをもらえるはずです!

【プロフィール】関口真紀先生(産婦人科専門医/医学博士)
関口真紀先生
関口真紀先生

公立病院で研修後、大学病院でガンの患者さんの治療を担当。出産後は健診クリニックに勤務し、年間6000人以上の子宮頸がん検診を担当。現在はフリーの産婦人科医として勤務。SNS、メルマガ、セミナーでは、生理痛、生理前のイライラ、更年期について、そのしくみやセルフケア、治療法について発信中。病院に行く前に、ちょっと聞いておきたいセルフケアや病気のことをお伝えする「婦人科お悩みトリセツ」主宰。病気や更年期を軽やかに乗り越え、元気に笑顔で活躍する女性を増やすお手伝い。

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