更年期って何?その自覚と現実をわかりやすく説明

更年期って何?その自覚と現実をわかりやすく説明

皆さんは、更年期に対してどんなイメージをお持ちですか?

更年期とは期間のことを指します。女性は平均50.5歳の閉経前後5年間ほどの約10年間。男性の場合には閉経のような目印はなく、40代以降から徐々に、また50~70代のいつでも始まり、目安となる期間も決まっていません。

これは思春期と同じように、誰にでも訪れるライフステージの一つでホルモンの節目。その時期に、女性の場合は女性ホルモン(エストロゲン)、男性の場合は、男性ホルモン(テストステロン)が減少することに加え、心理的なことや社会的なことが交わり、体やこころに様々な不調をきたすことに。

その症状を総称して更年期障害と言います。

更年期障害には、たいへんに個人差があり、症状もいろいろです。近頃では、更年期障害により仕事へマイナスが生じる「更年期ロス」話題になり、さらにそれによる「更年期離職」の経済損失は6,300億円と試算され世の中がざわつくきっかけに。

2030年には人口の半分が50代以上(総務省統計局人口推計)になることを考えると、これは大きな社会問題です。

合わせて読みたい 更年期ロス
“更年期ロス” 100万人の衝撃 離職による経済損失 年間6300億円
– ジェンダーをこえて考えよう – NHK みんなでプラス

最近になって更年期がメディアなどで叫ばれるようなりましたが、伝えられる情報はピンポイントすぎて、いま一つ全体像が掴めないと思う人も多いのではないでしょうか。

「実像がわからなければ、対策の施しようもない!」。それは、本当にその通りです。私たちは、更年期について案外知らないことが多いのです。

そういった声をもとに、30〜60代の男女2,000人にリサーチし、更年期の実態を分析する(一社)幸年期マチュアライフ協会の今井麻恵代表の協力を得て、そのデータをご提供してもらいました。今井代表の独自分析と解説を加え、本記事では、3回に分けて更年期の真実をつまびらかにしていきます。

#1:更年期を知っていますか。

更年期を知っていますか。

近頃は、女性誌などでも更年期が取り上げられることが多くなりました。女性は当事者でもあるため、更年期というワードに反応しやすく、87.3%の女性が更年期はもちろん知っていて、男性更年期についても51.9%はある程度は知っているという結果。

一方で、男性の49.7%は女性更年期の認知があり、「自身の更年期」に関しては52.2%の認知、逆に男女それぞれの更年期に関して半数は関心がないのです。

男性更年期の認知、関心は、まだまだこれからというイメージですが、著名人などが更年期体験を発信したことで、クローズアップされるように、今後は社会問題として大きくフォーカスされていくに違いありません。

◆更年期のこと、どれだけ知っていますか?

◆更年期のこと、どれだけ知っていますか?

男女共に8割が、更年期についての知識があると答えています。しかし、女性でも約11.7%の人が知識に乏しいという実態も。

更年期に症状が出ない人もいること、個人差による症状の違い、性格、社会環境、季節など様々な要因と相関することなども、一定数の理解はあるよう。しかし、更年期の不調による離職(の換算)が経済ロス6,300億円と言われていることに対してはまだまだ認知は少ないようです。

今後は更年期世代へのサポートが、現在の社会問題を解決するためのキーとなって行くでしょう。

#2:更年期の自覚はありますか

更年期の自覚はありますか

◆わたし、更年期なの?よくわからないという意見も….
更年期の話をする時「その症状が更年期なのか、わからない」という声をよく耳にします。その症状は、疲れやストレスなどが高じたものなのか、判断しにくいというのも確かです。また、このデータによると、女性でも18.8%が、更年期かどうかわからないと答えていますね。

女性の場合は、閉経というわかりやすいシグナルがありますが、男性の更年期障害は40代以降から始まり、はっきりとした終わりがないのが特徴です。

70代を超えても続くこともあるそう。「更年期かどうか自分ではわからない」と答えた人が、44.6%いますが、もしかしたら仕事上や家庭環境などのストレスで「イライラする」「疲れやすい」「ほてりや発汗」などの場合も。

複合的な要因も多いのですが、しかし、その場合でも更年期症状を疑って、一度、泌尿器科や男性外来など専門病院などを受診してみるのがオススメです。

◆その症状、我慢していませんか

その症状、我慢していませんか

更年期に入っている人で、何らかの症状がある人は全体の約9割を占めています。その中の女性58.8%、男性53.6%の人が、「症状はあるが我慢できる」と答え、「症状がひどくても我慢している」と答えた人は、男性で23.4%、女性でも17.4%近くいます。

特に年代でみると50代は男性3割強、女性2割近くが我慢すると答えていて、この年代は、仕事、家庭にフルスロットルの時期で、なかなか自分ために時間を割くのが難しく、そのまま我慢してしまうのかもしれません。

しかし、症状が悪化すると、先述の更年期ロスに発展する可能性も。心あたりがあれば早めに受診するなどして、常に意識することが必要です。

◆我慢するの、わかります

我慢するの、わかります

前述の「症状を我慢している」という理由の一つとしてあげられるのが、このデータです。実は特に女性の場合、更年期症状を誰にも相談できず、一人で抱え込んでいるという実態が明らかになりました。

打ち明けたときの「配偶者、パートナーの態度の変化」「家庭内不和」への不安が、大きな理由のようです。その結果「誰にも相談できず抱え込む」ということに…。

#3:日常にもたらす影響は?

◆日常的なサポートはありますか…。

日常的なサポートはありますか

◆それ、わたしも思い当たるかも…

それ、わたしも思い当たるかも

更年期の症状は実に様々です。「それが普段の生活にどういう影響をもたらすのか」を表したのがこのデータです。

「何ごとも億劫になる」「すぐ疲れてしまう」「活動的になれない」などの症状を実に多くの人が感じています。思い当たる人も多いのではないでしょうか。

多くの女性が「家事ができなくなる、家事の効率が悪くなる」と答えています。一方、男性では「仕事の効率が悪い、ミスが増える」など、仕事への支障が大きいと感じているようです。

キャリアを重ねた女性中間管理職なども、同じ悩みを抱えているに違いありません。また、これらのことが積み重なると、結局は更年期ロスへと帰結するのです。やっはり、周辺の理解やサポートが必要な場面でもありますね。

さて、これまで更年期の認知や関心について見てきました。いかがだったでしょうか。更年期問題はデリケートな問題ゆえ、なかなか人に言いづらく、また他の人の事情もわからないもの。このデータをみて、自身と照らし合わせてみるのも良いかも。

次回は、その実際の症状、解決法についてアンケートを元に解説をします。

<参考>一般社団法人幸年期マチュアライフ協会

更年期って何?その自覚と現実をわかりやすく説明
最新情報をチェックしよう!
>国際女性デー|HAPPYA WOMAN FESTA

国際女性デー|HAPPYA WOMAN FESTA

3月8日は国際女性デー|女性の生き方を考える日
女性のエンパワーメントとジェンダー平等の社会実現を

日本最大級の国際女性デーイベント「HAPPY WOMAN FESTA」を3月8日を中心に全国各地で開催

CTR IMG