体から心を癒すセルフケア|忙しい毎日に取り入れる東洋医学的アプローチ

仕事と家庭、子育てや介護など、現代の女性が抱える悩みは多岐にわたります。30代〜50代の女性の84.8%が、病院で検査をしても原因が見つからない「未病」の状態を経験していると言われています。この未病とは、東洋医学において病気に至る前の段階で、体に不調を感じるものの、医学的には異常が見つからない状態を指します。

私自身も過去に精神的な不調を抱え、何度も医療機関を訪れましたが、結果は「異常なし」。しかし、体の疲れや心の疲労感は日に日に増すばかりでした。そんな私が、東洋医学的なアプローチによって未病を改善し、心身のバランスを取り戻すことができた経験をもとに、今回は特に多忙な女性がすぐに取り入れられるセルフケアを紹介します。

東洋医学における「未病」とは?

東洋医学では、「未病」という概念があります。これは、病気がはっきりと表れる前に、体が不調のサインを出している状態を意味します。具体的には、疲れやすい、肩が凝る、気分が落ち込みやすい、集中力が続かない、などの日常的な不調が挙げられます。

現代の忙しい女性にとっては、これらの症状が放置されがちですが、未病の段階で適切なケアをすることで、深刻な病気に進行するのを防ぐことができます。

更年期と未病

特に30代後半から50代にかけては、ホルモンバランスの変化による更年期症状が現れやすい時期です。この時期には、自律神経の乱れやホルモンの変動が加わり、心身にさまざまな影響を及ぼします。

これが原因で、急にイライラしたり、感情が不安定になったり、疲れが抜けにくくなることがあります。これらの状態も、未病のサインと言えるでしょう。

今すぐできるセルフケア:ツボ押しでリフレッシュ

未病の改善に向けたセルフケアとして、簡単にできるツボ押しを取り入れてみましょう。ツボ押しは、東洋医学に基づく簡単なセルフケアの一つで、ストレスや疲労感を和らげる効果があります。以下の2つのツボを日常的に押すことで、気軽にリフレッシュすることができます。

•合谷(ごうこく): 手の親指と人差し指の付け根の間にあるツボです。肩こりや頭痛、精神的な緊張を和らげる効果があり、仕事中や休憩時間にも手軽に実践できます。疲れやイライラを感じた時に、ゆっくりと深呼吸をしながらこのツボを3秒ずつ押してみてください。

•内関(ないかん): 手首の内側にあるツボで、手首の線から指3本体側、腱の間に取ります。特に不安感や緊張を和らげる効果があります。心のバランスが崩れがちな時には、内関を軽く押しながら深呼吸をすることで、心身の緊張が和らぎます。気分が沈んだり、ストレスが溜まっていると感じた時におすすめです。

ツボの取り方は厳密に言うと難しいですが、セルフケアでおすすめなのはお灸です。お灸は大体500円玉ぐらいの範囲で影響すると確認されている為、「大体このへんかな」で効果を出すことが可能です。

心と体を整えるために大切なこと

セルフケアを実践する際に最も重要なのは、自分の体の声をよく聞くことです。忙しい日々の中では、自分の状態に気づかずに無理をしてしまうことも多いかもしれません。しかし、少しの時間でも自分を労り、心と体をケアすることで、未病を予防し、毎日のパフォーマンスを向上させることができます。

例えば、深呼吸をしながら一日数回ツボ押しを取り入れるだけでも、心のリフレッシュにつながります。そして、定期的に休息を取ることや、自分自身に優しくする習慣を持つことも大切です。また、信頼出来る人に話を聴いてもらい自分の体の声を整理するのも一つでしょう。

まとめ

働く女性たちが抱える心身の不調は、無視せず早めのケアが重要です。ツボ押しなどの簡単なセルフケアを日常に取り入れることで、イライラや落ち込みを軽減してみましょう。自分自身をいたわる時間を作り、毎日を少しでも楽に過ごせるようにすることで心と体のバランスが整い、日々のパフォーマンスが向上にも繋がります。

手軽なところから取り入れてみませんか?

【記事】米倉まな(鍼灸師/産業カウンセラー/オンラインサロンオーナー)
三重県産まれ。不登校や8年間の精神疾患を経て、鍼灸に出会い改善、鍼灸師となる。鍼灸院を営む傍ら、鍼灸師向けオンラインサロンを運営、大学や企業と共同研究を行う。
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